FITによる太陽光発電事業への補助金や税優遇制度は、2017年8月現在ありませんが、自家消費型の太陽光発電であれば[100%即時償却]が可能となります。
法人税をうまくやりくりしたいと思う企業にとって大きなメリットとなる優遇制度は、2017年度より開始している[中小企業等経営強化法]によるものになります。
通常の固定価格買取制度(FIT法)を利用して、太陽光発電の売電をしようとした場合には、適用されません。
FITの認定を受けない“自家消費型”と呼ばれている太陽光発電のみ可能です。
[中小企業等経営強化法]とはどのようにすれば優遇されるのか?
中小企業等経営強化法は、2017年度より施行されている、
〇設備投資をして生産性を高めたい中小企業者等が
〇経営力を向上させる設備を新たに導入した場合
即時償却もしくは税額控除を受けられるというものです。
昨年までは、中小企業投資促進税制等の名称で似たような支援制度があり、2017年度は内容を改定・名称変更・対象となる設備の拡充が行われました。
これにより今までの制度では対象外となっていた蓄電池等の設備も対象となります。
-中小企業等の定義-
*資本金もしくは出資金の額が、1億円以下の法人
*出資金もしくは出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
*常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
*協同組合等(中小企業等経営強化法第2条第2項に規定する「中小企業等」に該当する者に限る)
本制度の利用には、上記のように事業所規模が中小企業である事に加え、対象となる業種規定があります。
固定価格買取制度により行う売電は“利益事業”とされてしまう為、[対象外]となってしまいます。
事業規模については優遇制度の管轄が中小企業庁であるので対象は中小企業等に限られ、業種の規定については、中小企業等経営強化法の認定審査による制限となります。
電気事業は対象外となり、“営利売電を目的とした太陽光設備の導入に関しては[電気業]とみなされてしまう為”対象事業にはなりません。FIT法にて全量売電の認定を受けた設備は非対象設備となります。
制度を利用するには、全量売電以外の太陽光発電設備を用い、なおかつ認定の指定事業者である必要があるという事になります。
余剰売電はどうなのか?
余剰売電とは、施設の屋根や付近で発電した電力を施設で利用し、使い切れなかった電力を電力会社へ買い取ってもらう認定の事です。
自家消費太陽事似ていますが、自家消費はFIT法の認定を受けないので、余剰売電はFIT法の認定内になります。ですが、余剰売電は売電利益を得る目的でなく、施設のエネルギーコストを下げる為に選択されます。
余剰売電は、全量売電と自家消費の間にあたるので、本制度の利用が可能とされています。
自家消費だと即時償却が適用される理由とは?
[作った電力を設備施設に利用する]という目的を見てみると、余剰売電にとても似ています。
違いでいうと、自家消費太陽光はFIT法の認定を受けないものを指すので、一切売電を行わない方法になります。
独立電源型とも呼ばれており、この設置方法では電力会社との受給契約は行いません。
発電システムと施設電源系統との接続のみになるので、経済産業省にはFIT法ではなく自家消費用の申請を提出になります。
導入される目的として、電力会社から購入する電気量を減らしたい/蓄電池などと組み合わせデマンドコントロールを行いたい/非常用電源として利用したい等。
LEDなどと一緒に導入をすると補助金が出ることもあります。
導入には収益目的とは言えない為、電気事業ともならないので本制度の適用も認められる事となります。
しかし、自家消費太陽光であれ認可業種に含まれる必要もあり、なおかつ中小企業等の条件をクリアしていなければなりません。
(他にも160万円以上の設備である事など条件があります)
制度を適用させるには、中小企業等経営強化法の認定を受ける必要があり、指定の期間内(平成29年4月1日から平成31年3月31日)に受けなければいけません。
中小企業等経営強化法には、[法人税の即時償却or税額控除]の他にも[固定資産税の特例措置]もあります。支出財源が異なる為に併用して申請が可能です。
・法人税に即時償却or税額控除 支出 ⇒ 国税
・固定資産税の特例措置 支出 ⇒ 地方税
併用申請は出来ますが審査は財源別になるので、どちらか片方のみに認可になることもありますが、同時利用出来た際のメリットは小さくないものとなるでしょう。
これまでのような全量買取の太陽光発電では、税制対策として導入する事が出来ない為、自家消費型の太陽光発電をオススメしています。