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ソーラーシェアリング

ソーラーシェアリングとは、「営農型太陽光発電」とも呼ばれ、簡単に言えば「太陽光発電所の設置の仕方を工夫し、農作物の栽培を妨げずに発電を行う方法」です。
一般的に農地は日当たりがよく、太陽光パネルなどを設置する為に適した広さも備えており、太陽光発電事業にとって便利な環境と言えます。しかし反面、そこに太陽光パネルなどを設置してしまうと、太陽光が作物でなくオアネルに吸収され、農作物の生長が阻害されてしまいます。そこで生み出されたのが[ソーラーシェアリング]という考え方であり技術です。
例えば、太陽光パネルを特別な支柱や架台などによって支え、通常よりも高い位置に設けることにより、パネルの足下で栽培される農作物にも日の光を当てたり、また大雨や大雪による農作物への被害を防いだりすることも可能になります。
理想のソーラーシェアリングは、単に太陽光発電と農作物の栽培を同時に行うだけでなく、互いに補ってより良い結果を得る事と言えるでしょう。

-メリット-
①太陽光発電事業と農業の両立
1つの土地でどちらか一方の事業のみから利益を得るのではなく、両方の事業で利益を得られれば、それはまさしく最大のメリットです。
②農作業は、太陽光発電所のメンテナンスにもつながる
太陽光発電所を安定稼働させるうえで、雑草や雑木の伐採や土地環境の維持は必須です。その点、ソーラーシェアリングでは農作物の栽培の為に、日々の農作業を行うことになります。自分で雑草の刈り取りや小石の除去などを行えば、特別に清掃員を雇う必要もなく、メンテナンス費の節約にもなるでしょう。
③適切なソーラーシェアリングは、植物の光合成にも好影響
例えば人間が食品を食べすぎると体を壊すように、光を吸収して栄養を作り出す「光合成」を行う植物にも、適した“光の量”が存在すると言われています。
つまり、太陽光パネルによって日射量を調整すれば、作物の種類によってはむしろ単純に栽培するよりも効果的な成長を見込める事もあるでしょう。

-デメリット-
①高額な初期費用
ソーラーシェアリングでは、通常よりも高い場所に太陽光パネルなどを設置する為、工事費用などが高額になりがちです。また万が一に備えて強度も上げておかなければならず、施工期間も長くなる場合が少なくありません。
初期費用の増大は、そのまま利回りの低下につながりますので、農業収入も含めて考えたしっかりとした事業計画が求められます。

②一時転用しか認められない
ソーラーシェアリングの転用許可は、永年許可ではなく一時転用しか認められません。そのため一定期間を経た後は、再び申請手続きを行う必要が生じます。
通常は期間満了前に再申請を行えば、転用期間は延長されますが、もしもその際に許可基準を満たしていなければ、許可が下がらず場合によっては太陽光発電設備などを撤去しなければならないリスクも皆無ではありません。万が一買取期間中であっても、太陽光発電を続けることが不可能になれば、売電により収益もなくなってしまいます。
③作物の収穫量減少
適切なソーラーシェアリングとそれに合った作物を選べば、むしろ効率的に農作物の栽培を行えますが、作物の種類を間違えたり、誤った方法で太陽光パネルなどを設置したりしてしまえば、農作物に対する悪影響は避けられません。

-ソーラーシェアリングでも農地転用は必要-
土地には住宅を建てる為の土地・工場を建てる為の土地など、それぞれ目的が定められています。そして、たとえば田畑として農作物を栽培する目的を与えられている「農地」には、そのままで太陽光発電所を設置する事が認められていません。これは、ソーラーシェアリングによって農業を一部継続する場合も同じです。その為、ソーラーシェアリングを含めた農地の太陽光発電利用には、土地の目的を変更する「農地転用」の手続きが必須になります。
ただしソーラーシェアリングに伴う農地転用については、永久的な手尿が認められておらず、一定期間ごとに審査や再申請が求められます。
地域によってはソーラーシェアリングの場合、通常の産業利用よりも比較的簡単に農地転用を認めている所もあります。しかし、だからと言って農業をおろそかにしてしまうと、転用許可が取り消されてしまう場合もあるので、注意が必要です。

-農地の一時転用が認められる条件-
ソーラーシェアリングにおける農地の一時転用には、以下の条件が挙げられます。
 *転用期間が3年以内(更新可能)
 *太陽光パネルの支柱や発電設備が、安全基準などを適切に満たし、かつ必要最小限な範
 囲で設置されている
 *農地での適切な営農が確実に行われ、また周辺の農地の営農にも影響を与えないこと。
 さらに農地部分の生産状況や太陽光発電設備による影響などについて、毎年報告する
 *太陽光発電設備の改善・改築や稼働停止をする際は、直ちにそれを報告する
 *事業廃止に伴って太陽光発電設備の撤去が必要になった場合、速やかにそれを行える
 こと


また、一時転用を認められていたとしても、次のような場合には更新が認められません。
 *農業(営農)が行われていない
 *農地だけによる収益が、同年・同地域の平均収益と比べて約2割以上減少している
 *生産された農作物に、明らかな劣化や異常が生じている
 *適切な営農を行うことが困難になっている

-ソーラーシェアリングと相性の良い作物-
ソーラーシェアリングと相性の良い農作物には、多くの種類があります。例えば地中で育つ芋類・日当たりすぎると葉が日焼けを起こす葉物類では、比較的ソーラーシェアリングとの相性が良いとされています。また、そもそも少し日射量を制限されたほうが良いとされるミョウガやニンニクなども、適していると言えるでしょう。
このほか、日陰での栽培を前提とされているキノコ類も相性が良い作物の一種です。日射量と作物の生長の関係性については、様々なデータが公表されていますので、自分の地域や営農環境に適した品種を選びましょう。


ソーラーシェアリングは「一石二鳥」の技術である反面、初期費用の増大や農地転用の条件などから、難しい点もあります。最初に十分な計画を立てて、「二兎追うものは一兎をも得ず」とならないように注意しましょう。

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