設備利用率とは、発電設備が年間どの程度発電したかを示す数値になります。
計算式は下記の通りです。
[設備利用率の算出方法]
年間設備利用率(%)=年間発電量÷(定格出力kW×24H×365日)
24H365日、定格出力で休まず発電した場合を100%とします。
設備利用率50%という場合は、どのような見方をするのかというと、100%の時と同じように24H365日発電し続けたという前提は変わりません。つまり、50%分の出力が何かしらの理由により落ちたという事が分かるわけです。
◎設備利用率を把握しておくべき理由◎
設備利用率を把握しておくことは、発電量を把握する為に非常に重要になります。
設備利用率が分かる事で、24H365日フル稼働で発電出来た場合に比べて、どの程度まで発電出来ているかが分かり、発電所の評価がしやすくなります。
発電所の容量によって一般的な設備利用率が把握できますので、その数値と比較する事で発電量の数値だけでは表せない現状を測ることが可能です。
また設備利用率が低いようであれば、何らかの原因が隠されている場合がありますし、反対に設備利用率が高いという事は、発電量が多いという事を意味しています。
つまり、設備利用率の値が高ければ高いほど、設備を有効利用出来ているという事が分かります。
日本では設備利用率はひとつの指標となっており、経済産業省やNEDDなどがその値を示しており、この指標を用いておおよその年間総発電量や売電収益を見積もる事が出来ます。
◎太陽光発電の設備利用率は、他に比べて極端に低い?◎
太陽光発電所の設備利用率はどのくらいなのか。
一般的に10kW未満の場合は12%程度、10kW以上であれば13%程度とされています。
これは、太陽光発電以外の再生可能エネルギー(風力発電・地熱発電等)と比べると、非常に低い数値です。
なぜ太陽光発電の数字だけが低いのかいうと、太陽光発電の性質上、夜間の発電が出来ない為です。
[再生可能エネルギーの一般的な設備利用率]
■太陽光発電(10kW未満):12%
■太陽光発電(10kW以上):13%
□風力発電(洋上):30%
□風力発電(陸上):20%
□地熱発電:80%
◎それでも太陽光発電が最も普及している理由◎
上記のように設備利用率が低いにも関わらず、再生可能エネルギーの中で一番普及しているのは太陽光発電所になります。
なぜなのか、理由は次の2点になります。
1) システム単価の安さ
システムの単価の安さについては、特に10kW以上の産業用の太陽光発電設備において目立ちます。
太陽光発電は、急速な普及を見せている為、各メーカーより様々な設備が開発されています。普及に伴って価格も年々下がってきている為、事業者にとっては初期費用を抑えやすいというメリットがあります。
2) 設置場所を選ばない手軽さ
風力発電や地熱発電といった再生可能エネルギーは発電所の設置場所を選ぶのに対し、太陽光発電の場合は色々な場所を活用できるというメリットがあります。
代表的な屋根上の他にも、遊休地・農地(要農地転用、ソーラーシェアリング)・工場・店舗・施設などの屋上に設置する事が可能です。
◎まとめ◎
設備利用率は設備を有効に利用出来ているかどうか分かる指標となる数値であり、年間総発電量や売電収入の予測にまで役立っています。
設備利用率を把握する事で「ほかの再生可能エネルギーに比べて太陽光発電がいかに設備利用率の低い投資案件であるかを知ることが出来ましたが、その事から「太陽光発電がいかにメリット性の高い投資案件であるのか」が分かりました。
このように設備利用率を知る事は、発電事業を行う上で非常に大切であることが分かります。
太陽光発電を始めたいとお考えの方は、埼玉県久喜市にある弊社までお気軽にご相談下さい。