低圧の太陽光発電とは何か、説明していきましょう。
◎容量別、太陽光発電の分類◎
太陽光発電には、大きく分けて4つの種類があります。発電量の小さなものから「家庭用」「低圧」「高圧」「特高」と呼ばれています。
a.家庭用(10kW未満)
b.低圧(10kW以上50kW未満)
c.高圧(50kW以上2,000kW未満)
d.特高(2,000kW以上)
c・dを「産業用」と分けます。
◎固定価格買取制度◎
固定価格買取制度とは、通称FIT制度と呼ばれる制度になります。
FIT制度は国による制度で、発電した電力を電力会社に「決められた価格」で「決められた期間」、「確実に買い取ってもらう」事が出来ます。
太陽光発電が急速に普及したのは、非常に安定した収入を得られるこの制度のおかげです。
FIT制度には、「余剰買取」と「全量買取」の二種類あります。
それぞれの違いは、買取方法・買取価格・買取期間です。
「余剰買取」
・家庭用(a)の太陽光発電に適用
・つくった電力は、まず自分で消費する
・電力が余った場合にのみ、売電する事が出来る
・2018年度の1kWあたりの買取価格は26円(抑制エリア外)・28円(抑制エリア)
・買取期間は10年間
「全量買取」
・産業用(b~d)の太陽光発電に適用
・つくった電力は、すべて売電可能
・2018年度の1kWあたりの買取価格は18円
・買取期間は20年間
買取価格は毎年下がっています。
太陽光発電をするなら、なるべく早く始めたほうがいいと言われるのは、このためになります。
◎コスト・期間・手軽さ◎
産業用の中でも、「低圧」にメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
-費用面のメリット-
50kW以上の発電所は高圧連系に区分され、法律により保安体制や安全維持義務があり、キュービクルという変圧器の設置等が求められています。
しかし、50kW未満である低圧の発電所であれば、家庭用と同じ低圧連系に区分されます。その為全量買取が適用される産業用でありながらも、保安や維持管理の届け出等が不要で、設置工事の必要資格も第二種電気工事士以上でいいなど幅広くなります。
また電気主任技術者の専任義務も不要であり、年間契約料などのコストも抑えられます。
-広大な用地でなくてもいい-
低圧の発電所は50kW未満のシステム設置となりますので、パネル枚数や周辺機器を抑えられ、高圧のように広い土地を確保する必要はありません。
10kW以上であれば全量買取に出来ますので、農地・遊休地・工場・店舗・倉庫などの屋根を利用する事も出来ますし、広い屋根であれば、家庭の屋根上でも設置する事が可能です。
その為高圧用のようにまとまった面積の土地を探すより容易で、用地探しからスタートする場合であっても、比較的土地を見つけやすくなりますし、複数の候補からより最適な土地を選択する事が出来るケースもあります。
-事業開始までの期間が短く手軽さがある-
高圧に比べて容量が少ない分、設計・積算・工事に掛かる期間が短くなります。
また低圧の場合、電力会社との接続協議や消防署への保安規定の届け出などがいりませんので、高圧よりも受給契約までの過程を短くする事が可能です。
◎低圧の発電所にメリットをプラス。過積載とは◎
低圧の場合はその分発電量が少なくなってしまいます。そこで低圧の恩恵にあずかりながらも高圧並にしっかり発電する為に行うのが「過積載」と呼ばれる方法です。
過積載では、50kW未満の低圧の発電所に、100kW近くのパネルを設置します。もちろん低圧として認定されている以上、パワーコンディショナの容量は低圧容量に抑えていますので、それを超える発電を行った分はすべて捨てる事になります。
これをピークカットと呼びます。
ピークカット分が発生するので損をしているように感じますが、過積載の考え方は「日の出から日没まで定格の発電量をキープさせる」というものです。
定格の発電所であれば、最も日射量の多い昼間をピークに、朝夕はそれほどたくさん発電してくれませんが、過積載の場合は日の出とともに定格発電を行う事が可能です。
常にパワーコンディショナを全力稼働させるのが過積載であり、これによりピークカット分を考慮しても、定格の発電所より多くの発電量と売電収入を得る事が出来るようになるのです。
低圧の太陽光発電は全量買取のメリットだけではなく、時間やコストを掛けなくてもいいというメリットも得る事が可能です。
「過積載」の考え方で、さらにメリットが強くなります。
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